[旅日記]山陰の松江と北陸の金沢へ旅

11月のハッセルハウス

 陽は短くなり朝晩の冷え込みにもうストーブの火が恋しい季節になりました。
仁川の住宅地の木々も赤や黄色に色づいて豊かな秋を感じます。
Hassel Houseの2階の窓からも陽射しを通して欅の葉っぱの紅葉が輝いて見えます。
のどかな秋の昼下がり。
自宅のみかんも甘くなってきました。
3〜40年、宝塚の山本あたりで買って来て植えたみかんの苗木が成長して毎年皆を喜ばせてくれます。
通りすがりのお散歩のお年寄りの方、学校帰りの小学生達に千切りたてをおすそ分けして愉しい会話が弾みます。
今どきの子供達は皮を剥くのが面倒とみかんを食べなくなったと言われますが、木から千切ると目が輝いてその場で試食したり大事そうに持って帰ってくれます。Hiroshiさんは近くの小学校の回りをみかんの木の生垣にして実りの秋全校生徒でみかん狩りをするなど夢見ていますが、、、
無農薬のお野菜は先に虫に食べられてしまいますが気にしない!気にしない!残りを頂きます。
つくづく豊かな人間の暮らしとは?と考えてしまいますね。
《山陰の松江への旅》
 10月9〜11日岡山から伯備線の「やくも」で山陰の玉造温泉へのんびり、例のJR+2連泊の旅に行きました。
3年前の11月にはヒマラヤを見に行った私たちですが寄る年波には勝てず残念にもすっかりシニアーの旅になってしまったのですがどこへ行っても何回訪れても日本の旅は趣がありますね。
岡山からのどかな中国地方の山並みを超えると列車の右手に雄大な大山が見えて来て早2時間半、もうそろそろ到着です。
新しい装いの玉造温泉駅
今回は老舗の和風旅館です。本当は和風も大好きなのですが長年洋風の暮らしをして来たせいで畳に座るのが苦手になってしまった私、でも希望すれば和洋風の部屋もありほっと致しました。
歴史を感じられる庭園
夕食はフランス料理風に一品一品出来立てを出されます。添えられた短歌も味わい深い。
翌朝の朝ごはんの会場で。ここで仁多米を竈だきして出して下さる筋金入りのおばあ様に感動!
一つ一つの置物にも食器にも趣がありその上温泉も堪能して旅の醍醐味を味わいました。
翌10日は松江見物に出かけました。
宍道湖宍道湖湖畔の島根県立美術館松江城〜城下町散策のシンプルなコースです。
夕日の美しい写真でお馴染みの中の島には海鵜がのんびり!
約1時間宍道湖を回ります。マドロスお髭の船長さんが素敵でした。写真を撮れなかったのが残念です。
船場からタクシーで島根県立美術館へ、嬉しい事には「松本俊介展」が開催中でした。

36歳で亡くなり今は松江に眠る。
一度見ると心に刻まれてしまう絵なのでこの地で膨大な一生の絵をゆっくり見れたのはとても良かったですね。
一寸贅沢して人力車で。お城が大好きでこの仕事をされていると言われるお兄さんは時代劇に出てくる様。
石積みの解説等博学で感心しました。
小泉八雲の愛した天守閣への道。
小泉八雲旧宅近くの出雲そばやさんでぶっかけそば風の出雲そばを頂きほっと一息。
アイルランドのダブリンで幼少時代を過ごされたと言うラフカディオハーン。
アイルランドにも怖い妖精のお話がありますね。でも子供の頃薄暗い座敷で父から聞いた「のっぺらぼう」や「耳無し芳一」の方がずっと怖かったですね。
よほど脚が長かったのでしょうか?椅子も机も高い事!
日本の良さを留めた街並みに懐かしさの余韻にひたりながら3日間の旅を終えました。
《北陸金沢への旅》
 いつか行きたいと思っていた「金沢21世紀美術館」への旅
「Hiroshiさん」の話では「昔は金沢の湯涌温泉に白雲楼と言うホテルがあり何度か宿泊したのだが大正ロマン風でとても素敵だったよ、、、」とのこと。
湯涌温泉[白雲楼ホテル」インターネットで調べてありました!
サービスもとても良かったし残してほしかったですね。2006年に取壊されたとの事残念です。
今回は山中温泉で2連泊していつもの様に真ん中の一日を金沢へ行く事にしました。
11月6日お昼頃のJR「サンダーバード」で2時間と少しで「加賀温泉」へ。ホテルの送迎車が待っていてくれて楽々お宿に到着。
50年目の山中温泉です。悲しいかな記憶は殆んど薄れていてこんな所だったのだと紅葉した木々の間から鶴仙峡の渓流を見下ろし日本らしい情緒にほっと一息つきました。明るい内にと入った露天風呂は雨に濡れて明日の天気が気がかりです。
 翌7日JR特急30分で金沢駅へ。青空〜にわか雨〜曇りと喜んだりがっかりしたり!の天気です。
駅からもうアート。大きな鼓型のアーチがお出迎え。
広い芝生の庭。回りは緑溢れる環境に丸いガラスの美術館。中からは外が外からは内部が見通せます。
一番の人気のスイミングプール。残念ながらメンテナンス中で下部から見れません!
現代美術は子供にかえって無心に愉しめば結構面白い!まあ私の頭脳では猫に小判なのですが触っていい物には触り試していい物には試して遊びました。現代美術館でのもう一つの楽しみは売店ですね。ここも丸いガラスに囲まれていて見て回るだけでも面白い!
絵のお友達には人間が進化してゆく消しゴムを10個程!(1個300円位だったかしら?)どんなものか想像してくださいね。
それから評判のランチブッフェを忘れる訳にはいきません。
外側から見たレストラン。
人気のFusionランチにしました。加賀野菜の和風フレンチのブッフェスタイル。お蕎麦もありましたよ。白いパレット型のお皿に好みの料理を盛り付けて行くのはまるで現代アート作家になった様で素敵でした。デザートは後でサービスして下さいます。
さて呑気者の私が愉しんでいる間にも遠くで雷の閃き!「雨が来ない間に帰ろう!」とHiroshiさんは気がきではありません!
外へ出ると幸い天気は小康状態です。いつも行く兼六園はパスして金沢城〜白鳥路散歩道だけで心残りだけれど山中温泉に帰る事にしました。でもSANAAの建築丸ごとの現代美術に触れて天気の悪いのもガラスに当たる光が色々に変化して美しかったですね。
Hiroshiさんは「ガラス磨きが大変だよ!」と一人ぶつぶつ、、、
金沢城への道
金沢城の城壁
石川門〜大手堀まで続く白鳥路散歩道の三文豪の彫刻
可愛い彫刻もたくさんありました。
戦火に焼かれなかった金沢は古い家も多く残り貴重な街ですね。
駅へ着くと落雷で電車がストップしているとか!
でも金沢から上りは運行していてほっとしました。何とか無事に山中温泉に帰りつきました。
翌8日は快晴、午前中鶴仙峡の川沿いの散歩に出かけました。
糸遊びの綾とりに似ている「あやとり橋」
渓谷のすぐそばの道。滑らないようそろそろ!
こおろぎ橋で出逢った子供連れの家族。
「昔泊まったのは山中依緑館が新築の頃だったね」と話しつつこおろぎ橋に来ると可愛い坊やを連れたご夫婦に出逢いました。
50年前の私達の様な!いつの間にそんなに歳月が流れたのでしょう?Kyoko