[仁川の風景]梅雨の晴れ間の散歩道

車庫 仁川北

 昨日初めて一番蝉の声を聞きました。
もう夏休みも間近なのでしょう.
でも阪急仁川駅の朝は未だ学生さんの行列です。
梅雨の合間の澄んだ青空と輝く日の光に誘われて一寸ご近所のスケッチ散歩をしました。 
  Hassel Houseから徒歩1分。昭和初期の家。
戦後接収された家に造られた車庫。
 昭和6年アメリカ人の建築家によって建てられたアール・デコの家。静かな佇まいなのに何故か胸騒ぎのする様な、散歩の足が止まってしまう魅力があります。車庫はこの家のもの。
戦後この当りの屋敷は進駐軍の家族の為に接収されアメリカ風の車庫が造られました。
以前はまだ2〜3見かけたように思いますが、もしかして此れだけかも分かりません。
長く保存出来ないものかと何時も思っています。

 《当時描いたと思う図面》
昭和30年代新婚の私達が何とか家を持ちたいと思い建築の本を買った中に建築家[アントニン レイモンド]の本がありました。それは素朴な木の家でした。すっかり魅せられてしまった私達はそれを参考に自分達で図面を引いて大工さんに建築をお願いしました。

  正面の棚は高さ70cmの机兼用、この広いリビングで家族それぞれが好きな事をして暮らす。大きな食卓で作業をしたり、コーナーで本を読んだり、私はセーターを編んだりと夢は膨らむばかり。でも現実となると来客用の和室、納戸と加える毎にリビングは小さくなって行ったのです。その上建築現場に行くと正面の棚は90cmの高さに!これでもう机としては使えません。
こうして夢は遠くなって行ったのです。

先日夜何気なくテレビをつけるとアントニン・レイモンド(1888〜1976)の建築について取材しているではありませんか!昔買った本も何時しか失くなり、思いだけが未だ心に生き続けていた「木の家」の原点の放送に感激してあわてて録画をしました。軽井沢のレイモンドさんのお住まいをお弟子さんの建築家が引継がれていられたのです!年月を経てまだ新鮮に心に響くお住まいでした。
主な建築 軽井沢[森の教会].[群馬音楽センター]. 身近な所で[小林聖心女子学院聖堂]
 

 
子供達も独立、阪神大震災後同居した両親も今はなく、静かになってしまった今のリビング。 京子